スケッチブックを持って「街道を行く」    その9:函館


小高い丘の上から函館湾を見下ろすハリストス正教会

司馬さんは「街道を行く:15巻」で書いている。「函館の町で美しい建物のひとつは、元町の坂にある「函館ハリストス正教会」である。

塔の屋根は、あざやかな緑青が吹いた銅ぶきで、その上に玉ねぎ形の冠がのっかり、最先端に十字架がかかげられている(
北海道の諸道 58p)。この日は観光客がまだホテルから出てこない朝早めにスケッチを開始した。



西欧文化移入の情熱が伺われる 旧函館区公会堂

明治の函館大火後、豪商相馬哲平氏の寄付によって建てられ、明治、大正と天皇行啓宿舎として使用。木造建築にして、建築意匠、技法などは、積極的に高級洋式建築を取り入れている。

函館では全坂徒歩で上下したが、実は
北海道旅行中、スケッチブックを持って1日25000歩以上毎日歩き続けた。おかげで毎日美味しいものばかり食べていたが、太ることもなかった。


若者の町、函館ベイエリア

赤レンガが美しい倉庫街、今はベイエリア。ここには修学旅行生が一杯集まっている。どこから来たのと訪ねてみると大半が東京の高校生。34人がグループを組んで、ソフトクリームを舐めながら、ウインドーを覗いてはしゃぎ回る。

靴のかかとを踏みつぶしたままの生徒もいる。まだ若者だというのにすっかり疲れている感じ。平和の中の怠惰。無規律の中の徘徊。豊かさの中の喪失。


タワーの上から見た五稜郭

五稜郭タワーエントランスホールには面白い展示がある。土方歳三美少年時代の写真や、幕末星型城郭を函館に建設する前に、ヨーロッパ各国で作られていた星型城郭写真。

函館の博物館はどこも面白い。
函館市北洋資料館では、函館市が北洋漁業基地として如何に栄えたか熱心に語り続ける。函館市北方民族資料館では、中国清朝宮廷衣装が、黒竜江を経てアイヌの手に入り、「山丹錦」として資料館に展示されている。

函館山からの夜景
街路灯をたどると字が読める

JR函館駅
北海道のJR駅はセンス良い

旧イギリス領事館でのティールーム
さすが紅茶の国、美味しかった

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