ニューヨークとアンコールワット

 

 

「お父さん、ニューヨークへ行こうよ」。声を掛けてくれたのは、息子の方からでした。1ヶ月前に家内を亡くし、呆然としている父親を元気付けようとする息子の思いやりです。2人で、格安航空券を購入、ニューヨークへ出かけたのは、まだ冬の寒さが厳しい2月の末でした。

 

 私はかねがね行きたいと願っていたメトロポリタン美術館に連日詰めました。スケッチする時間は、何もかも忘れる時間でした。連日スケッチに来館する日本人に、ガードマンもすっかり顔馴染みとなり、時には親切に館内を案内してくれたりもしました。

 

アンコールワットに出かけたのは、3月末でした。今度はすごい暑さで、被っている帽子が汗でべとべとになってしまいました。とにかくあの蒸し暑さにはこたえました。

 
かってインドシナ半島を制覇していたクメール王朝アンコール・ワット遺跡は、長く密林の中に忘れ去られ、これをヨーロッパ探検家が発見したというストーリは、何となく胡散臭い匂いを感じていましたが、帰国後、英国探検家アンリー・ムーオの著作「アンコールワットの発見」を読んでみて、矢張りあのストーリはなにもヨーロッパ探検家が殊更に自分が発見したなどと名乗りでるようなものではなく、そんなPRを続けるのは支配者の傲慢であり、ヨーロッパ帝国主義の自己正当化に過ぎないと知りました。イラクにおけるアメリカ帝国主義も全く同じ。弱者に対する征服者の横暴な自己正当化は今も、昔も傲慢さに過ぎないのです。


 ところですっかり外国スケッチ旅行に嵌まりこんでしまった小生、4月末からのGWには、あこがれのシルクロードスケッチを敦煌・トルファン・西安で楽しみ、6月はフランス印象派の風景紀行をノルマンディ・ブルタニュに訪ね、7月には夏のモンゴル草原に出かける予定です。

 

友人は「身体の方は大丈夫か。無理を重ねるなよ」と心配してくれますが、自分は例え大腸がんの再発という事態になったとしても、旅で燃えつくした我が人生に悔なしと言い切れるような気がしています。

 

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ニューヨークとカンボジアのアルバム集より



メトロポリタン博物館

NY空港にて哲三

メトロポリタン博物館でスケッチする

アンコールワットにて西川尚武


アンコールワットにて

アンコールワットにて

アンコールワットにて

アンコールワットにてスケッチする

アンコールワットにて




旅スケッチこぼれ話 第10話  飛び回ったアメリカ大陸



「お父さん、ニューヨークへ行こうよ」。声を掛けてくれたのは、息子の方からでした。
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ヶ月前に家内を亡くし、呆然としている父親を元気付けようとする息子の思いやり。
2人で、格安航空券を購入、ニューヨークへ出かけたのは、まだ冬の寒さが厳しい2004年2月の末でした
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私はかねがね行きたいと願っていたメトロポリタン美術館に連日詰めました。スケッチする時間は、何もかも忘れる時間。連日スケッチに来館する日本人に、黒人ガードマンともすっかり顔馴染み、時には親切に館内を案内してくれました。



2008年6月 北米大陸 三大絶景 ナイアガラ瀑布・カナディアンロッキー・グランドキャニオンを巡るツアー旅行に参加した。
ワシントン空港からカナダトロントへ飛ぶ第1日目、乗継便は出発30分前に突然天候不順の為、飛行中止。このトラブルのお陰で、ワシントン郊外に1泊、翌朝独りラッシュアワーの地下鉄に乗って、ワシントンDCへ6時間の冒険。ホワイトハウスやスミソニアン博物館を一人歩きまわり写真を撮った。


壮大なナイアガラ瀑布は、ホテルの窓からも、その瀑布音と共に、滝の全景もはっきりと見渡せた。特に夜のナイアガラは様々なカラー光線に浮き出て美しい。滝つぼ直下への船の侵入も面白かった。


カナディアンロッキーでは、豪華な欧風ホテルに連泊、残雪輝くロッキーの山々、氷河の上を走る雪上車。氷河の雪溶け水が流れ込んだ氷河湖は、不思議なトルコブルーに光る。ツアーバスの窓からは、何度も大きな野生の熊や鹿を真近に見た。


グランドキャニオンでは、先ず機上から広大な大自然が作り出した絶壁のすごさを観て、やがて、岸壁の上に立って、奥深い谷底を覗きこみ台地のすごさに我を忘れて、何枚もスケッチした。


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