
「お父さん、今年の秋はクロアチアに行きましょう」。最初、次男夫婦に誘われた時、75歳の体力を考えて、「もう無理だよ」と言って断った。
しかし、1ヵ月後、矢張りどうしてもクロアチアだけは行きたいという強い思いが高まり、すでに一切の予約契約は済んでいたのだが、強引にクロアチア旅行同行を願った。
クロアチア出発は 9月中旬だった。24度を最高とする涼しさと、清々しい秋の風に吹かれてクロアチア10日間は全日好天気に恵まれた。
もし雨に降られたら、ヨーロッパ特有の石畳は雨に濡れて滑り易く、40数枚のカラースケッチなどとても無理だったに違いない。
ラッキーなヨーロッパ旅行だった。
フランクフルトでクロアチア航空に乗り換え、先ず最初に首都ザグレブを1日街歩き、2日目には、中国は九賽溝、
ヨーロッパはクロアチアのポリトヴェツエと言われる湖水群がものすごく美しく湖水がすごく透明な大自然を2日間歩き回った。
続いてアドリア海世界遺産のシベニク・スプリット・トロギール・ドブロヴニクへと、
バスで点々と中世城壁都市を楽しんだ。
街々の美しさは、スケッチブックに取り付かれた手の動きを加速した。昼・夜共に事前にしっかりとパソコン(トリップアドバイザー)で検討し抜かれたその街最高人気の料理店で、ワインを片手に随分と美味しい郷土料理を楽しんだ。グリルステーキがこんなにも美味しいものだとは知らなかったし、海鮮物の味がしっかりと染込んだグリーンパスタも、今まで食べたことがない素晴らしい味だった。
クロアチアはつい最近まで激しい国内民族戦争で荒廃した国というイメージを持っていたが、今はもう戦争の面影などどこにも見当たらない。
人々は平和な毎日を、豊かに暮らしている。どの顔もファッション雑誌から飛び出して来た様な美男美女ばかり。
思わず、自分までが、映画の中の登場人物になったような、快い錯覚を催して周囲を見渡す。あの美男美女達はどんな恋をして一緒になったのだろうか、あの穏やかな老夫婦は、幸せな生涯を全う出来たのだろうか、思わず、周囲の人々の人生を勘繰りたくなってしまう。
息子夫婦は毎日徹底的に古都を歩き回っていた。その体力には驚き、若さに圧倒される。自分は朝からせっせと大自然を、教会を、人々の体臭が漂う小路を、スケッチブック2冊、四十枚に描き上げた。
帰りもフランクフルトからルフトハンザに乗ったが、隣席には193cmの大柄な英国人が座り、
機中愉快に語り合った。
この旅では、中国人、韓国人の団体ツアー客が随分と目に付いた。しかし日本人は明らかに減少している。
TVやクラー、自動車までがもう日本製品全盛の時代は終わり、韓国製品が圧倒的に目に付く。
安倍ノミックスの肩肘張った外交政策はもう時代遅れ、日本政府はもっと善隣友好・国際協調路線を確保し
日本の未来が輝いて描けるような政策を展開すべきではないか、193cmの巨人を隣に、日本の明日を独り考え続けた。
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クロアチア・スケッチ旅行

すごく水が美しい |

美しい水が広々と広がっている |

碧の木々の間を水は静かに流れる |

美しい水をバックに西川尚武 |

水は崖の上からも流れて来る |

岩石は時には洞窟の中も |

美しい木立を歩く次男夫婦 |

クロアチアの美しい教会 |

ムール貝が美味しい |

クロアチアのホテルの窓から赤い屋根を観る |

狭い小道に美味しい店が一杯ある |

クロアチアの海岸を渡る次男夫婦 |

クロアチアの美しい小島 |

クロアチアは最近まで戦火にあった |

海と島と赤い屋根 |

クロアチアのスパゲッティは上手い |

クロアチアの小島の崖 |

クロアチアの海岸に立つ西川尚武 |