秋、京都大原を歩きました…11月23日快晴
この秋は何故かむしょうに紅葉に魅せられています。先日も、奈良東大寺、十津川、熊野古道そして養老の滝にスケッチブックを持って出かけました。
「今度の休日は、京都大原に出かけましょうョ」。旅の企画は家内の担当です。朝早い新幹線に乗って京都駅に立ちました。快晴でした。
大原の秋はのどかでした。まだ山里には幾つかのわら屋根が残されています。家内は神妙に名園の紅葉に感動していましたが、私は山門に座り込んで、スケッチを続けました。スケッチを覗きこみながらギャラリーがつぶやきます。「描ける人はうらやましいわ。もし、私もスケッチが出来たら、旅がどんなに素晴らしいでしょう」。早速、ひとときの会話が始まります。
三千院から寂光院への道は、のどかな裏道を選んで、ゆっくり歩きました。寂光院の紅葉は真っ赤に燃えています。平家物語に歌われた建礼門院の、哀しい36歳の人生が、この紅葉に秘められています。
うつし世の
淋しさここにきはまりぬ 寂光院の苔むせる庭 吉井 勇
紅葉客でにぎ合う表通りをさけ、ひなびた暖簾をくぐって温かい湯豆腐を頂いた。熱燗に湯豆腐、これが実においしい。奥から出てきた老婆に「このお豆腐実に旨いね。秘伝は何ですか」と思わず声をかけた。「お豆腐は家で作っていますよ。大豆も選んでいますが、決め手はここのお水でしょうね」。あらためて京都大原の奥深さに頭が下がり、次の言葉も出て来ませんでした。
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