定年後の読書ノートより
日本の侵略と日本人の戦争観、江口圭一著、岩波ブックレット
米英同罪史論

日本が受諾したポツダム宣言は、日清戦争、義和団事件、日露戦争、韓国併合、第1次世界大戦、シベリア出兵、山東出兵、満州事変、日中戦争、そしてアジア、太平洋戦争をトータルに否認したものです。列強は日清戦争後、中国侵略を清算していたが、日本だけが侵略にしがみついていた。米英は侵略された中国側に立ち、反ファッシズム戦争として、日本侵略に抗していた側にあり、すでに帝国主義征服者の立場を清算していたことを忘れてはいけない。

自衛戦争史観

ABCD包囲網により、開戦はやもう得なかったという史観。イギリス、オランダ、中国は日本に脅威されこそすれ、日本を脅威する立場ではなかった。アメリカは日本の武力侵略に対する経済制裁であり、包囲的行動ではなかった。

解放戦争史観

大東亜共栄圏を創ってアジアを欧米の支配から解放するというなら、何故朝鮮を独立させなかったのか。アメリカはすでにフィリッピンに独立を与える約束をしていたし、日本によるビルマの独立は名ばかりで、圧政と収奪の裏切りが事実であった。「大東亜共栄圏」とか「アジア解放」は本音ではなかった。一時的に日本への幻想は有りましたが、すぐに失望は憎悪に変りました。

殉国史観

心情の問題ではあるが、それでは、貴方は、中国国民に、自分は聖戦をやっていたと言い切る自信はありますか。日本人の国家意識、それは国土、集団、政治的統一体、国家機構の区分がなく渾然としており、すべて国家という概念で同一視してしまう。国家意識を日本人は整理し、殉国とは政治的統一体、国家機構に対しての行為であり、この視点に立つ国家とは、現在では日本国憲法で明確にされた平和をまもる国家が我々の国家なのです。日本国憲法を獲得した歴史としての戦争を忘れず、殉国でなく、日本国憲法をきちんと遵守させる行動、これが現在一番大切な国家に対する我々の姿勢ではないでしょうか。

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